墓参りに館山に。
誰も住まない父の実家に立ち寄ったら、川崎の伯父が偶然いた。
ついに売却されることになり、片付けに来ていたのだ。
他人の手に渡ったら間違いなく取り壊されるであろう父の実家。
最後のチャンスと思って存分に撮らせてもらった。
敷地の隅にある夏みかんの木。
なんとも味わい深い佇まいだなぁ。
母屋から離れた炊事場。
一家で帰省した際に、祖母がここでトビウオを捌いてくれたのが懐かしい。
80を超える伯父が干したタオルとパジャマ。
蔵の軒下だ。
蔵の窓。
錆の塊と化した鉄格子。
海から帰ってきて砂の付いた足を流した蛇口。
花火の火消し用の水をバケツに入れた思い出もある。
蔵の一角。
時間の流れは容赦しない。
瓦や壁はリフォームされているが、築90年の家。
私の心の故郷でもある。
もう他人の手に渡った家。
写真に残せた幸運に感謝したい。