饒舌なクラゲマイスターが、クラゲには脳がなく、泳力もなく、水流がなければただ沈むのみと教えてくれた。
そんな話を聞いたうえで、改めてクラゲたちを眺める。
すると、一つの生物というよりも、白血球のような細胞に見えてきた。
一個体にフォーカスすると、尚いっそう細胞のように見える。
映画『メン・イン・ブラック』では、猫の首輪についた宝石の中に銀河が広がっていた。
エンディングでは、私たちの住む世界からカメラがどんどんズームアウトし、銀河や銀河団を内包した1個の球体になり、それでおはじきをして遊ぶ宇宙人が映る。
クラゲを眺めていたら、この世界のスケールがわからなくなった。