当て所もなく車を走らせたどりついた予科練記念館。
予科練とは第二次大戦末期に自ら志願して特攻した少年兵のことだ。
人間魚雷は有名だが、人間機雷をご存じだろうか。
潜水服に身を包み、棒の先についた機雷を持って海の浅瀬に潜む。
上陸してくる米軍の小型艇の船底を突いて自爆するというものだ。
そんな無謀な特攻兵器の数々と共に少年兵の最後の手紙や遺品が展示されている。
大半の兵士は父母への感謝を手紙にしたためている。
しかし、その中で異彩を放つ手紙を見つけた。
自らをお気楽だと称するその少年。
同部屋の4人はすでに出征し散っていった状況。
4人の遺影と骨壺がケタケタ笑うとか、
お供え物がすぐネズミに食べられるとか、
そんな話をアハとかエヘと笑い声を交えて記している。
残酷な事実を笑いながら母に伝えているのだ。
数ある手紙の中で一番リアリティを感じてしまった。
入場無料(隣の敷地にある予科練平和記念館は有料)。
玄関に山本五十六元帥が立つ。
戦争論を語るつもりは全くないが、
やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ
という山本五十六の言葉は、職場において痛感する今日この頃だ。