雪と刻む

雪にも喩えられることのある桜だが、

この日は雪が実際に降った。

不要不急の外出を避けるべき時に、

撮り歩きとは何事ぞ。

そういうご意見もあるだろう。

だが、しかし。

桜の花のわずかな命と、

季節外れの雪の舞い。

その邂逅が奇跡でなくて何なのか。

次にいつ相まみえるかもわからない。

だからこそ急を要す事態。

３密を守りつつ車で移動して撮った。

雪が降ったのは数時間で、

すぐに雨がそれを融かしていった。

ウィルスの脅威だけを記憶に刻むのではなく、

雪と桜の共演も忘れずにいたい。