館山市の漁港で出会った一匹の猫。
警戒せず近寄る馴れ馴れしさと、
輪郭を曖昧にしている長い毛から、
ほんわかした印象を持った。
私が朝日を撮ろうと堤防へ駆けると、
恋人を追いかけるようについて来たし、
追いつくと足にまとわりついてきた。
それなのに、
現像した写真を眺めてみると、
どの写真でも、きりっとした表情でこちらを見やり、
首回りの長い毛は百獣の王のたてがみにさえ見える。
ほんわかした印象は感じられず、
威厳やプライドといった言葉が似合う凛々しさがあった。
生まれてこの方、犬派だったが、
この頃は、猫に魅せられるようになってきている。