メンタリング

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今、勤め先でメンタリングについて考える機会が巡ってきている。

4月に異動してから間もない頃、新人一人のメンターに指名された。

指名されたからには…と定期的に時間を設けてきた。

大きな問題はなさそうに見えた。

 

そんな折、昨年度までの職場にいる後輩に会ったら、嘆きながら相談してきた。

新人が研修で孤立している。

誰もその彼の状況に対して気にもかけない。

後輩が飲みに誘ううちに、新人の口から上司の愚痴がボロボロとこぼれ出た。

 

それを聞いて、新人にも後輩にもメンターが必要だと思った。

 

私のいる業界では、組織の形をしているようで、何でも個人に任されがちだ。

やる気がある人、自主性がある人、信念がある人は勝手に成長していく。

消極的な人、回避的な人は静かに埋没していく。

上から「メンターをやってくれ」と指示があっても、その意義については語られない。

語らずとも察しろ、ということなのだろう。

 

ただ、それではメンターもメンティーも何となく話をして終わりになりかねない。

うやむやになって、話の場自体が設けられなくなることもあるだろう。

 

なぜメンターが必要なのか。

何をメンターとメンティーで話し合うのか。

どのぐらいの頻度でコミュニケーションを取るのか。

全てはメンターのさじ加減だ。

 

私自身もメンタリングを知らずにメンターをやっている…。

そう思って『1分間メンタリング』という本を買った。

すぐに読めてしまう、非常に簡潔な本だ。

 

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この本を読んで目からウロコだったのは、メンタリングにおいてメンター自身の得るものが大きいということだ。

私なんかにメンターは務まらない、負担になる、という人こそ読んだ方がいい。

  • 誰もがメンターを必要としている
  • メンタリングは相互に学び合い、成長し合うもの
  • 新たな視点やアイデアに出合うきっかけになる
  • メンタリングを成功させる最大の要素は人生経験
  • 人生経験のない人など存在しない(つまり、誰でもメンターになる資格がある)
  • メンティーへの思いやりがあり、その人のために時間を割く用意があれば十分
  • 助けたいと思う相手と関わることで元気がもらえる
  • 若い人のメンターになると、自分自身の次の目標が見えてくる

メンティーもこの本を読むことでメンタリングに期待が持てるだろう。

  • メンティーが質問するだけで、メンターの人生に大きく貢献できることもある
  • メンティーが助けを求める意思を持つことが、メンタリングの重要な第一歩
  • メンターのメンティーへの最大の贈り物は人脈

組織におけるメンタリングで、メンターがすべきこともまとまっている。

  • 手本を示し、メンティーロールモデルになる
  • 組織に関する情報を提供して助言する
  • 助けになる人を仲介する
  • キャリアが発展させられるよう、成長をサポートする

他にも参考になる箇所は多い。

ただ、「1分間」というのは内容と関係がない。

「1分間マネージャー」という本の著者のシリーズとして枕詞になっているだけだ。

 

時おり仕事のことを記事にしたくなるのは、自分自身の整理のためか。

写真はヘルシンキ郊外の森でガイドを務めたルーマニア人。

絵になる男、アンドレイ。