テニスの審判台がいい距離感で並んでいる。
だが、私にとってはトラウマを呼び覚ますものだ。
大学でテニス部の幽霊部員だった私は、大会になるといつも審判をやらされた。
テニスをやる方はご存じだろうが、審判台からエンドラインは見えづらい。
よっぽどそばに立ってプレイしている選手の方が見えているのだ。
ミスジャッジするのも無理はないと思うのだが、相手校は容赦がない。
あやしい判定をしようものなら途端に試合が中断される。
あれは金を払ってでもプロを雇った方がよい。
と偉そうに幽霊は思う。
場所は変わって砲丸投げ場。
柵の代わりにハードルが立てられている。
見たところ「お古」だろうか。
野球場のバットにしろ、ハードルにしろ、私立大学にはない発想だ。
と偏見に満ちた幽霊は思う。