APS-Cユーザーがフルサイズのデジイチを欲しがるように、35㎜フィルムで撮っていると中判に憧れを抱く。
気前のいいmaeさんは、そんな私にMamiya RB67を貸して下さった。
私が持参し忘れたフィルムまで付けて。
初めて手にしたRB67はずしりと重かった。
それでも両手で抱えながら歩けば、苦にはならなかった。
ピントの山は非常に掴みやすいので、いろんなものを覗いてフォーカスダイヤルをグリグリしているだけで楽しそうだ。
露出計は付いていないので操作はフルマニュアル。
あえて中判で撮るか?という写真ばかりになってしまったけれど、これは個人的に好き。
奥にチラリと映っているのは公園に置かれたペットボトルと向き合うmaeさん。
「カバーかぶってるのもアリじゃないですか」
私がカブを撮り貯めているのをご存じのmaeさんが仰った。
残りの枚数もわずかだったが、勇気を出してシャッターを切る。
余韻のある「バシューン」というシャッター音が心地よい。
ナニコレになってしまったが、日向岡からの見晴らしと共にいい思い出だ。
草木と一体化した旧車も、発見したのはmaeさん。
色まで同じ個体だったので、何かの縁を感じて最後の一枚にあてた。
もっとアングルとフォーカスを見極めてから撮るべきだった。
あっという間に撮り切った10枚。
ファーストロールで圧巻の空気感を表現できるNRさんのようにはいかないものだ。
つづく